戸開走行保護装置UCMPの役割と義務化の全容
Q1.戸開走行保護装置(UCMP)とは、具体的にどのような装置ですか?
エレベーターの扉が完全に閉まる前に、故障などによってかごが勝手に昇降し始めた際、自動的にかごを制止させる安全装置です。
UCMP(Unintended Car Movement Protection)とも呼ばれます。
駆動装置の故障に備えた「ブレーキの二重化」や、制御器の不具合を検知して停止させる「安全回路」を別系統で備えることが基本となります。
Q2.UCMPの設置が義務化された背景を教えてください。
大きな契機となったのは、2006年に東京都港区で発生した死亡事故です。扉が開いた状態でエレベーターが動き出し、乗り込もうとした高校生が挟まれるという深刻な事故でした。
これを受け、利用者の人命に関わる重大事故を未然に防ぐため、2009年に建築基準法が改正され、以降に新設されるエレベーターへの設置が法的に義務付けられました。
Q3.どのような仕組みで安全を確保しているのですか?
ブレーキと制御回路を二重化することで、万が一一方の部品に不具合が生じても、もう一方が確実に機能するように設計されています。
具体的には、UCMP回路、二重ブレーキ付巻上機、特定距離感知装置、かご・乗場の各ドアスイッチの5要素がセットで機能し、かごの暴走を強制的に阻止します。 この装置の設置には国土交通大臣の認定が必要であり、メーカーには高度な開発力が求められます。
Q4.2009年以前に設置された古いエレベーターも対策が必要ですか?
改正前に設置されたものは「既存不適格」と呼ばれ、現行法への適合義務や罰則はありません。
しかし、安全装置がない状態は、現在の基準に照らせば「十分に安全」とは言えません。
設置から法定耐用年数の17年や計画耐用年数の25年前後を経過したエレベーターは、老朽化によるリスクも高まるため、リニューアル時にUCMPを導入し、最新の安全基準へ引き上げることが推奨されます。
Q5. ESTEMのリニューアルプランでは、どのような対応が可能ですか?
ESTEMはメーカーとして60種類以上の国土交通省認定を自社で取得しており、ロープ式・油圧式を問わず、国内の全メーカー機種に対して最適なUCMPの導入を提案できます。
他社で高額な全面入れ替えを提案された場合でも、エステムなら部分的な改修で費用を抑えつつ安全性を高めることが可能です。
